音響

ワイヤレスマイク研究雑記1アンテナ編

先日Shureのイベントの音響を担当する機会がありまして
そこから得た情報と自分の経験を織り交ぜて書いてみます。

今回はアンテナ編です。
僕は主に小劇場…中でも広くて新宿村LIVEや座・高円寺2、よしもと∞ホールくらいのキャパ…2〜300人規模でしか扱ってこなかったのですが
そこまでの範囲での層はかなり厚い、同じ様な音響さんは多いと思っています。
なので知識の共有の為にも…!ということでいってみたいと思います!

ホイップアンテナ

こういう形状のものですね。

これには1/2波長タイプと1/4波長タイプの2種類があります。

1/4の方はBNCケーブル等で延長することが出来ません

例えば延長してバトンから狙うとかということが出来ないので注意が必要です。
1/4の方は受信機とセットでアンテナのアンテナたる部分を構成しているので受信機から離しちゃうとダメみたいです。

無指向性アンテナの指向性

ホイップアンテナとかワイドバンド無指向性アンテナの場合、上から見た場合と横から見た場合の指向性が違うらしいです。
真上と真下の感度がほぼないことがあるので

アンテナの先端をステージのアクティングエリアに向けて設置すると電波を拾いにくくなってしまうことがある

僕は良かれと思ってホイップアンテナを延長してアクティングエリアに向けてました…。
なぜか拾わない時がある…思い返してみるとアンテナが指す直線方向に演者さんがいたのを覚えています。

満点は狙わなくていいから総合的に80点を目指す

電波を常に満点の状態で拾い続けるのは難しい上にアクションの都合上だったりふとした時に電波から外れてしまうことがあります。体がジャマになって電波を拾いにくくなってしまうなどなど…。
なので各メーカーアンテナの立て方はV字のこんな斜めな感じでステージに面する形を推奨している様です。

槍アンテナ(指向性アンテナ)

 

こんな感じのです。槍アンテナと言ってる人を見たことがありませんが…

後ろの部分(この画像で言う所の左の方、ケーブルが繋がってる方ですね)が感度が低くなるのでLEDウォールや近くの現場の影響を避けたい場合に使うとノイズを避けられたりするので良いらしいです。
実際僕はケーブルテレビの生配信イベントでしかその知識が必要な現場に立ち会ったことはありませんが…

・・・

ちなみに槍アンテナというとこんな感じらしいです。

アンテナの設置位置について

アンテナの設置は障害物を避けて人の頭より高いところが良く

1.8m〜3mくらいがベスト

人の体が電波を吸収したり反射したりするためゆとりを持ちつつ狙ってあげられる場所を確保した方が良いということですね。

反射といえば。トラス等の金属に近いとその影響が出ることがあります。

特に…

トラスの中にアンテナを仕込まない様にしましょう!

一見隙間が空いていて電波も回り込んで入ってくれる様に感じますが
電波としては壁として捉えてしまう様なので注意が必要です。

ダイバーシティタイプの場合

ワイヤレスアンテナ設備でよくある受信機に2つアンテナがある場合
2つのアンテナは

最小:1/4波長以上

最適:1波長以上

離すとダイバーシティ性能が向上します。

よく使うB帯(800MHz帯)だと1/4で10cm程、1波長で約40cm

2.4gHz帯だと1波長約12cm

ホワイトスペース帯の1番低いとこが470MHz1波長64cmなので

スペースに余裕がある場合AとBのアンテナは1m離しておけばオッケー。

と考えられています。
実際問題10波以上扱う様になってくると難しくなってくるとは思いますが…

ざっくり帯域別に書きましたがこの公式で波長の長さを求めることは出来ます。

1波長の公式

波長=光の速さ(300,000km/秒)÷周波数

1波長(m)=300÷F(周波数MHz)

デッドポイントに注意!

2つのアンテナが干渉するデッドポイントがある場合があるのでサウンドチェックの際に充分にアクティングエリアをワンツーワンツーなど喋りながら歩き回ってデッドポイントのチェックをしておきましょう!

近ければ良いというものでもありません!

送信機と受信アンテナは近づき過ぎると過入力になってしまい不具合が怒る可能性があるので約3mは離した方がいいとされています。

出来たら…

ピンマイクやヘッドセットを使う場合、ベルトパックは送信機のアンテナと受信機の間に体が邪魔になってしまうことがあるので舞台などでは上手下手両側にアンテナを設置した方が良いです。

一先ずアンテナ編でした!
また出来たら機材選びの観点からも書いてみます!

ABOUT ME
kakumaru
kakumaruです。 作曲家ですがここ数年は舞台を中心に音響としての活動もしています。 作曲ではBGMや歌モノ楽曲どちらも作成しております。